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2010年10月12日 シーンNo.5-03 行動結果リプレイ   『 《秘密》をくぐりぬけて 』

シーン5-03「《秘密》をくぐりぬけて」




■■■ PTC@TRPG企画 ■■■
シーンNo.5-03 行動結果リプレイ 
『 《秘密》をくぐりぬけて 』







「ついに――《ペオース》を見出したようだね」

 背後からの、突然の声。
 里穏(りお)はびくりと体をすくませて振り返った。


 そこに立っていたのは――広場の住人から『ボンクラーズ』と呼ばれていた
者たち。エレガン、クレバー、パワフルの3名だった。


「え……え……何で、あなたたちが……」
 里穏(りお)は目を白黒させながら彼らに尋ねる。

「僕たち3人は、1年近くかけてずっと探し求めていたんだ。この世界に
紛れ込んでしまった、僕らの世界の理の書物の欠片――《ルーンストーン》を」
猫族のクレバーが、いたずらっぽい笑みを投げかけながら里穏に応えた。
「こ、この石……あなたたちの世界の、って、どういうこと……? あなた
たちは、一体……」
 なおも混乱させるようなクレバーの言葉に、獅子獣人のパワフルが続ける。
「うむ、詳しく説明したいとは我々も思っている。だが、今は一刻を争う……
まずは虹の橋で繰り広げられている戦いを、終わらせることが先決であろう」
「大丈夫。僕たちは君たちの敵ではないよ。力を貸そう」
パワフルの隣で、エレガンも力強くうなずく。
「《ルーンストーン》には、1つ1つに宿る力がある。中でも、君が見つけた
《ペオース》――これが最も見つけ出すのが難しかったんだ。何しろ、この石
が司るのは《秘密》だからね。その名の通り、他の石よりも深く深く隠されて
いたんだ」
「ひみつ……?」
 里穏(りお)は自分の手の平に乗る小石を見つめた。
「そう、秘密。この石を見出した今、全ての謎は明らかにされる。さあ、行こ
う。虹を生み出している機械の元へ」

 里穏(りお)は3人に向かって大きくうなずくと、最上階へと塔の階段を駆け
出した。
 袴をひらめかせながら急ぐ彼女の後ろを、3人もまた、続いていった。




 * * * * *




 一方その頃。
 虹の橋の上で繰り広げられる戦いは、時間が経つにつれてやや厳しい状況に
なりつつあった。
 

 戦闘開始直後、初撃から続く攻勢は非常に良い結果をあげていた。
 居並ぶ巨人列の先頭を崩したことで、続く後列に小さな将棋倒しが起こり
図らずとも大きなダメージを与えることができた。
 だがその後、倒れた土塊を乗り越えながら巨人が前進してくるようになると、
今度はその足場の悪さから、各々の能力を発揮して戦うことができなくなって
いった。
 巨人を倒せば倒すほど、不利な状況へとその天秤が傾いていったのだ。

「くそっ……! 倒れた巨人どもがどうにも邪魔だ……!」
 思うように戦えず、マデリンが苛立ちを吐き出す。
「ここは一度、戦線を立て直した方が……!」
空からレティが叫ぶ。ロリーナやティアたちも同意を唱える。
 今、仲間たちの連携は土塊の障害物に遮られ、有効に機能していない。その
ことに、上空から見ていた者たちはいち早く気づいていた。
 そうして混乱をきたし始めた戦闘の最前線へ、カラスの群れが風を切って
飛んできた。群れは戦闘の激しい辺り一帯に広く散らばると、そのクチバシから
鳴き声ではなくコルヴィーノの声を響かせた。
『俺だ、コルヴィーノだ。戦いながら聞いてほしい』
 それは決して大きな声ではなかったが、たくさんのカラスから同時に発せ
られていたため、戦線にいる誰もが聞き取れていた。いや、誰一人漏らさず
聞こえるように、コルヴィーノが意図してカラスを配置していたというほうが
正確だろう。
『上空から戦況を検討し、新しい戦線を組み直したほうが良いと判断した。
その場を離脱して、それぞれの側にいるカラスについて動いてくれ。こちらで、
ベストと思える位置まで誘導する。空を飛べる者は、橋上の者が離脱する際の
援護を頼む』
 改めて見ると、戦っている者ひとりにつき1羽ずつ、付き従うように側を
旋回飛行するカラスがいた。カア、と鳴くと後方へとゆっくり飛翔する。
 コルヴィーノの提案に、前線メンバーの気持ちが再度ひとつになる。
「ふふ……なるほどね。私たち体は小さくても、知恵でもって一体となって
戦うべし――いいじゃない」
 BBは楽しそうにつぶやき、ステップで攻撃を避けながらカラスの後に続いて
退避していく。


 ひとり、またひとりと敵の攻撃圏から後退していく中、最も巨人の攻撃が
激しい位置におかれていたミィニィとゼイドの2人は、離脱の機会を得られず
にいた。巨人の攻撃を避けるのが精いっぱいで、巨人と距離をとっていくこと
すらかなわないのだ。
 少しずつ、2人は仲間たちから孤立していく。彼らが逃げ遅れたことに、
仲間たちもこの段になって気づいた。このままではまずい――そう思った時
だった。

「ミィニィ、ゼイド――――! 今から巨人達に向かって、閃光を放つわ!! 
タイミングを合わせて、こっちに逃げて!!」
 マリアージュの声が響いた。
 後衛にいる彼女が眼前に手をかざし、自身の魔力を限界までためるべく詠唱
をはじめた。強大な魔力の奔流が、マリアージュを中心に渦を巻き始める。
 放とうとしているのは、極大の回復魔法。だが、その魔法を快癒に用いるの
ではなく、魔力からほとばしる輝きをもって、巨人の隙を作ろうというのだ。
 ミィニィとゼイドの二人はマリアージュに一瞬だけ視線を合わせ、了解を
伝える。
 すぐさま対峙する巨人に視線を戻し、攻撃を避けるふたり。だが、その耳は
退避タイミングの指示を聞き逃さないよう、マリアージュに向けて神経を集中
しているのがわかった。
「いくわよ――3、2、1、GO!」
 その瞬間、辺りを包むまばゆい光。全ての光景が白い閃光の中に溶けていく。
 強い光に視界を奪われた巨人は、思わず立ちすくみ動きが止まる。その隙を
逃さず、ミィニィとゼイドは後方へと思いきり跳躍した。
 巨人から大きく距離を離しながら、どう、と体を橋面に投げ出す2人。だが、
目を開けることすら困難なほど、周囲に光が散乱する。
 完全に方位感覚を失った二人。だが、何とか立ち上がった直後に彼らの手を
しっかりと掴むものがいた。ファルとティアだ。
 はるか高い天上、光の世界に住む天使である彼女たちは、閃光の中で目が
くらむということはないのだ。
「こっちだよっ」
 ミィニィとゼイドの手をとり、双子の天使たちは小さな翼を懸命に羽ばたかせ
2人を仲間の元へと導いていった。




 全員が離脱できた、と思ったその時。さらにもうひとり。
 閃光で白一色に染まった視界の向こう側から、ひとりの魚人がびちんっと
ひと際大きく跳ね、その姿を現した。



 「 脱 出 成 功 ―――――― ぉぉぉぉぉぉ!!!! 」



 とうふ! お前、ここに来ていたのか! とツッコむ――もとい、驚く間
もなく、その体を安全な場所へとうつすために手を貸す仲間たち。
 仲間たちに守られながら、おぉぉぉぉうじぃぃぃぃぃぃぃ!! と、愛する
スパイス王子にこけつまろびつ駆けよるとうふ。
 良かったねとうふ! 助かったねとうふ!! 
 とうふの脱出に快哉を叫ぶ声が、弾幕となって辺り一面を埋め尽くしていた。




 * * * * *




「演算、終了っ……!」
 塔の最上階。
 虹の橋を生み出している魔道機械のすぐそばで、蔡花(さいか)がモバイル
PCのエンターキーをタンッと指で弾いた。
 画面を埋め尽くしながらスクロールする数字の列を、目で素早く追っていく
蔡花(さいか)。
「で、どないやった?」
 セシルの問いに蔡花(さいか)はモバイルの前から立ち上がると、機械の側
へとゆっくり歩いていった。
「たぶん……ここだわ」
 ぴたりと歩を止め彼女が指差したのは、機械の背面――窓から虹を放出して
いるのとは反対側の場所だった。
「ここの内部のエネルギーの巡りだけ、妙な動き方をしているの。おそらく、
ここにそのパーツが入る予定だったと思うのよ」
 蔡花(さいか)の言葉に、場にいた全員が部屋の隅に置いてあるパーツへと
顔を向けた。キャッスルから運んできた、巨大なリング。
「でも、パーツをくっつけられそうな場所はやっぱりない……よね」
「……うん、ないね」
 蔡花(さいか)の隣にやってきたエディとネリネは、機械の該当箇所を丹念
に調べる。だが、先ほど調べたときと同様に、何か手掛かりとなりそうなもの
は見つからなかった。
 機械をつるりと覆っている外装には、パーツを新たに取り付けたりできる
ような部分は見当たらないのだ。
「……まだ何か、足りていないのか……?」
 エディは腕組みをして考える。
「足りないのは――情報か? それとも……」
 その時だった。階下から、誰かが階段を駆けあがってくる音が響いた。
 警戒し、階段を注視する9人。
 だが、現れた人物は彼らのよく見知った顔だった。
「里穏(りお)……!!」
 ほっとする面々。だが、その後ろから続いてきた3人を見て、再び訝しげな
表情に戻る。
「あなたたちは……えーと確か、ボンクラーズさん?」
「んもー、ひっどいなあ。その呼び名、誰が考えたんだよう」
猫のクレバーが軽い抗議の声をあげる。そのクレバーを制し、エレガンが前に
出た。
「まあまあ、そんな風に呼ばれるように装って振舞ったのは僕たちのほうさ」
「うむ。――それよりも、急がなければ」
 パワフルも深刻な表情で言葉を続ける。
「私たちも、君たちの協力に来たのだ。魔道機械を止める手助けをしたい」
 唐突な申し出に、塔にいた9人は顔を見合わせた。そこへ、里穏(りお)が
一歩進み出る。
「あの、これを……!」
 差し出す手のひらには、小さく光るルーンストーン。
「この方たちが、これで何とかなるって……」
「え? ルーンストーンで?」
 ネリネとノアーレも、持っていたルーンストーンを懐から取り出す。
「そう。この石で何とかすることができるはずだ。……君たちは、思いのほか
多くの石を見つけ出していたようだな」
 パワフルが視線を窓の方にうつした。皆も同じ方向へと顔を向ける。
「話、途中から聞こえてたわ」
「集めに行って、正解だったみたいだねえ」
 リーチェとクロ丸が、窓の縁に足をかけて立っていた。
 戦線の出ている者達が持っていたルーンストーンを全て、その手に集めて。




「《ルーンストーン》は全て合わせると25個あるんだ。この塔でお嬢さんが
見つけた1個と、君達が既に見つけていたのが10個。そして、ここに……」
 クレバーが、ベルトにつり下げていたポーチからルーンストーンを取り出す。
「僕たちが集めてた9個。全部を合わせると、今ここにあるのは――20個」
「足りないものもそれなりにあるが、何とかできるだけの数は揃っている」
 得心した様子で語るボンクラーズの3人。
「……な、何やようわからんけど……この石で、この魔道機械がなんとか
できるねんな?」
 セシルが口火を切って、皆が抱いていた疑問を3人に尋ねた。他の者も
無言ながら、その返答に期待を寄せる。
「できる」
 3人は、声をそろえて言いきった。
 自信に満ちた回答を得て、全員の瞳に光が宿る。
「一体、どうすればいいんですか? 僕たちに手伝えることは?」
エディはまっすぐな瞳で3人に教えを乞うた。
「順を追って説明するよ。……えーと、これ借りていいかな」
「え? あ……はい、どうぞっ」
 エレガンが指差したのは、蔡花(さいか)のモバイルPC。魔道機械とコード
で繋がったPCの前にエレガンが座ると、クレバーが20個全てのルーンストーン
を側に運んでいった。
 エレガンは腕まくりをして一呼吸置いた後、すぐ傍に立つ蔡花(さいか)に
向かって微笑み、ウィンクをとばした。
「あとで、ちゃんと元に戻して返すからね」
「え? それはどういう――」
 不安にさせるような発言に、蔡花(さいか)がその意味を訊きただそうと
したその瞬間。エレガンの手元のモバイルPCから、目もくらむような強い光が
放たれ、塔の最上階の部屋を明るく照らしだした。



 そして、光が収まった時には――
 モバイルPCのキーボードは、ルーンストーンが整然と並んだものへと変貌
していたのだ。


「え……え……ひょっとして、このルーンストーンって……」
「コンピューターの、文字キーだったのか……!?」
 驚愕する面々の問いに、パワフルが代わって答える。
「まあ、似たようなものだな。我々の世界の神が《言葉に力をもたせるための
媒体》として用いているのがこのルーンストーンであり、25個の石全てを指し
《世界の理を表す書物》と呼んでいるのだ」
「そういうこと。で、ストーンの力を引き出すのに、このモバイルPCが一番
適っていたものでね」
 エレガンがルーン文字のキーボードをタカタカタカ、と流麗なタッチで叩き
はじめた。キーボードはところどころ歯が抜けたようになっており、そのせいか
時折キータッチに乱れが生じる。
「万全ではないけど……大丈夫。全ての文字を使わなくとも《表現》はできる
んだ」
 エレガンの指の動きに合わせて、PCのモニターにルーン文字で入力された
命令構文(ルビ:プログラム)が表示されていく。
「そうはいっても、高頻度で使うために欠かせない文字もあるけどね」
 クレバーが横から付け加える。例えば、日本語の助詞である『てにをは』。
アルファベットの『t』や『s』。文字に貴賎はないが、忙閑はあるのだ。
「でも、そういう大事な文字は、皆が見つけてくれていたから――」
タカタカタカッ、タタン!! と入力を終える。
「これで――この魔道機械の謎が解けるはずだ。さあ、魔道機械を止めるため
の手段、未だ明かされていない謎をここに示せ!」
 そういってエレガンは、最後にタン、と【ペオース】の文字キーを叩いた。


 異世界の神の力を宿したルーン文字。その文字によって組み上げられた
命令構文が、モバイルPCを介してひとつの《力ある言葉》を紡ぎ出していく。



 コノ 【荒れ狂う牛(ウル)】 ヲ トメル 【秘密(ペオース)】 ヲ 
 ワレワレ ニ【贈与(ギューフ)】セヨ ――……




 入力されたコードに従い、コンピュータは答えを探し求めて解析を始める。
 数瞬ののち、モニターは大きなフォントでその《解》を映し出した。
 そこに書かれていたのは、
 ルーン文字ではなく
 アルファベットによる――わずか7文字の言葉。













































『  B L E N D E R  』














「ぶ……れん……だー……?」
 全員が、声をそろえてつぶやいたその時。
 モバイルPCは『BLENDERをインストールしました』というシステム
メッセージをモニタに表示し、直後まばゆい光を放った。

 視界を満たすまばゆい光の中――その場にいた全員が、次々と膝を折れて
倒れ、気を失っていった。






######################


シーンNo.5-04 『 虹の向こうに繋がる世界 』へ続く

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