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2010年08月27日 シーンNo.3-03 行動結果リプレイ   『ネズミを追いかけろ!』

シーン3-03「ネズミを追いかけろ!」



■■■ PTC@TRPG企画 ■■■
シーンNo.3-03 行動結果リプレイ 
『ネズミを追いかけろ!』


 昨晩、広場の円環を盗んでいったというネズミの大群。
 監視カメラには、カオスフィールの方向へと逃げていく姿が
映っていた。
 そのネズミを追いかけていくのは、総勢14人の者たち。
「うおー! 俺ってばついてねえー!」
 走りながら、思わずコルヴィーノは叫んだ。
 すぐ後ろには、昨日広場で彼に対していきなり怒り出した男装の女性、
マデリンがついてきていたのだ。
「ふふふ。次会ったら厳重注意をしようと思っていたのだよ嘘吐き男クン。
キミもこのネズミ追跡に来ていたとはなんと都合のよい……!」
 凶悪な表情でニタリ、と笑うマデリン。コルヴィーノは思わずひいぃと
肝が冷える。
「……だが、気が変わった。キミも何というか、付き合いが良いな」
 一転、マデリンは恐ろしげな表情をやめ、語調を真面目なものに変えた。
「キミはその立派な翼で高速移動できるだろう? なぜ足を使って、私が
追い付ける速度でわざわざ走っているのだ」
「あ、バレた?」
飄々とした笑みを浮かべるコルヴィーノ。どうやらこれも彼流の社交の
枠内の行動であったようだ。走る速度をわずかに落としたコルヴィーノ
は、マデリンと並走する形をとる。
「ちょっと頼みたいことがあってね。俺はこの後、上空から先行する。
発見したら合図を出すから、アンタは地上から俺の動向を確かめておいて
ほしいんだ。うまくいったら、他の人達を誘導してきてほしい」
「ほう?」
意外な依頼にマデリンはコルヴィーノに視線を合わせ、じっと覗きこむ。
「……ふむ、いいだろう。どうやら今回は私をたばかろうなどと考えて
はいないようだな」
瞳の奥から、同じ目的に動いているという心意を読みとり、承諾する。
「私は目的のためには手段は選ばないのが身上でね。ここは一旦休戦と
しよう」
「なんだ、仲直りじゃなくて一時休戦かあ。帰った後がおっかねえなー」
「うむ、今から存分にビビッておくがいい。……ただ、深追いはするな。
この一件、どうも背後に何かが控えているような気がしてならないのだ」
「……なるほど。忠告、覚えておくよ」
マデリンの言葉を意外に思いつつも受け止め、コルヴィーノは翼を広げて
空へと舞い上がった。
眼下の草原を、マデリンや他の者たちが走っているのが見える。
その視線を、ネズミが逃げた方向、空と草原の境界線の彼方へと向け直す。
「さて……そろそろ本気出しますかね。ネズミごときが、俺から逃げら
れると思うなよ」


 空から向かうコルヴィーノの後方を、飛行能力をもつロリーナとティア
も続いていく。
「カオスフィールのことなら何でも知ってるわ。何を企んでいるのか
知らないけれど“わからないこと”があるのは気に入らない」
 鎌に乗って高速飛行しながら、ロリーナはそうひとりごちる。

 空からの追跡は3名、地上を走って追跡するのは11名となった。
 地上を駆ける者の中でも、ミィニィと咲良の速度は目を見張るものが
あった。
「じっとしてるのは嫌いネ。こうしてる間にも時は進む。今動いている
ものを追うのが一番ネ! フフ・・・修行時代を思い出すアル。速さには
自信アリ、ネズミ共覚悟アルー!」
さすが長年山に籠っていただけのことはある。しなやかに肢体を弾ませ
ながら、ミィニィは草原を駆け抜けていく。
「山の塔ってやつも気になるけど、今んとこ怪しいってだけだしな……」
塔にいくらかの好奇心を刺激されつつも、咲良は目前のネズミを追うこと
にした。途中でもし何らかの情報が手に入ったならば、塔に向かうことも
視野に入れている。
「覚悟しな鼠ども。オレの足の速さ、なめんなよっ」



 * * * * *



 脚力に自身がある者たちのさらに後方、ネズミを追う者たちはその胸中
でさまざまな考えを抱きながら走っていた。
「ネズミが、な……地下に住まい人の目を盗む者が何を企むか……」
 GALATIAのつぶやきに、セイリスが応える。
「きっとネズミさんも、何か事情があってこんなことをしたんじゃないで
しょうか」
「事情……ね。ネズミの身の上の事情というのは想像もつかないな……」
「だからこそ、話をちゃんとしたいのです。そのうえで……みんなの広場
の物を盗るのはイケないことですってきちんとお話しないといけません!
だからネズミさんを追いかけて、きちんと事情を聞いて、説得をして、
リングを返してもらいます! 」
 セイリスはまっすぐな瞳でそう語った。まずは互いの理解を、そして
守るべきルールを。これは、人々が平和で仲良く暮らすための知恵なのだ。
「それに、他にも追いかけていった人たちがいるみたいですし……もし
ネズミさんが誰かを齧ったり、逆にネズミさんが誰かに齧られたりした
ら大変です」
「……なるほど、もっともな話だな。齧ったり齧られたり、つまり戦いは、
会話をして互いの歩み寄りが得られないとわかったときで充分だと私も
思う」
「……私は、できればそういう事態は可能な限り避けたいのですけど……」
 GALATIAの返答に、セイリスは小さくうつむきながらつぶやいた。
「それにしても……どうして持ってっちゃったんでしょう? 回し車には
出来なさそうですし……」
「……どういう理由があって持って行ったか、確かに今は分からないわ」
 後方から、有栖川アリスが会話に加わった。
「今までの調査の成果を総計してみても、どうもネズミがパーツを盗む
必要性に繋がらない。加えて、パーツの持つ意味をネズミが知っている
とも思い難い」
「……パーツに何か“意味”がある、ということか?」
 アリスの述べる考えに、さらに続いてエスヴァルドが会話に参加する。
「さあ? それもわからないわ。ただ、盗むだけの理由はきっとある
はずよ」
「……あの立て札は、ネズミに向けてのお知らせだったのかなぁ」
 少し離れた位置で走りながらふいにつぶやいたネリネの言葉に、会話を
していた4人がはっと視線を向けた。
「だって、看板が出た日の明け方にネズミがそれを見てて。その次の夜に、
広場のパーツがネズミによって盗まれたんだよね。誰かがネズミに看板で
何かを知らせたのかなあ、って」
「ふむ……」
 これは、一考の価値がある考えであるように思われた。
「それはおもしろい推論ね。今はその知らせが何か、そして盗んだ理由が
何なのかはわからないけれど。あのネズミを追いかけてみれば、きっと
……あいたっ!」
「うん。真実につながる何かがあるんじゃないかな。……いてっ!」
「? どうしたん……きゃっ!」
 走っていたアリスとネリネ、そしてセイリスの額にいきなり傷みが
走った。びっくりして全員が立ち止まる。
「大丈夫?」
 GALATIAが二人に声をかける。
「ええ、平気……大した傷みじゃないわ」
「突然この石が空から落ちてきたみたいだ」
「これ……なんなのかしら」
3人の手には、白く輝く石が1つずつ。
アリスの手には《ニイド》、ネリネの手には《フェオ》、そしてセイリス
の手には《ギューフ》のルーンストーンがあった。
「ああ……ここにも表れたのか」
 エスヴァルドは、昨日手に入れた《エオロー》のルーンストーンを懐
から取り出した。
「これが、昨日何人かの元に突然現れたという石なのね……何なのかしら、
一体」
「ちょっと待って。これ……昨日よりも強く輝いている……!?」
エスヴァルドは、自分のもつ石を見て驚愕した。
「これ……共鳴してる……!?」
 他の石もまた、近づけることで輝きが強くなる。昨日エスヴァルドが
持っていたときには1つしかなかったために気付かなかったが、どうやら
石同士で何か大きな力を共有しているようだ。
「……きっと、この石も真実に至るために必要な“何か”なんだ。大事に
もっておこう」
 彼らは再び、ネズミの追跡に向けて走り出した。 



 * * * * *



 追跡組の最後尾は、やや異様な光景が繰り広げられていた。
 ――舞う汗、弾ける肢体。
 疾風のごときステップを踏む、2名のダンサー。

「くぅ……なにやら面白い事件が起こっているというのに、完全に出遅れ
た……せっかく目立つチャンスだというのに僕としたことがなんたる失態
だ!」
ニーノは高く足を振り上げ、内なる激しい感情をその体全てで表現する。
「こうなったら一番にことを解決して崇められなければならない…!!」
 くるりと華麗にターンをし、着地! 着地からまた、新たなターンへ。
 そんなニーノと呼吸を合わせるように、ししまいがリズムをとって体を
くねらせる。
「そうか……かじってラッキーはネズミが得たのか……いやそれにしても
3国のパーツをまるごと持っていくとは不可解な」
 ガツン! ガツン! と歯を噛み鳴らし、リズミカルにたたらを踏む。
「それにしても滅んだ国の意思がまだ生きているのか。一体何の目的が
あるのだろう? ……何か大いなる意思を感じる……」
「……黒幕に笛吹き男でもついていたりして」
 ししまいの躍動感溢れる動きに合わせ、ニーノが放つ優雅かつ繊細な
スピン・ターン。
 余りにも美しく、そして艶やかに……そう……今ふたりはまさしく
ひとつの生き物――《偉大なる獣-Une grande bete-》……!!!!

「私に出来ることは受け取ったものを踊りで表現すること。それならば
しっかりと受け取るのが私の役目だろう。滅びた国であろうと、この世界の
一部であるならば受け入れるだけだ。」
「黒幕がいるなら、そいつを捕まえれば早々に解決じゃないか!!!」
 それぞれの胸にパッショーン!を抱きつつ、彼らは踊りながら前進して
いく。
 ……そう、彼らはこう見えてもちゃんとネズミを追いかけているのだ。



 * * * * *



(……予想が当たったね)
 里穏(りお)は、岩陰に体をひそめながら心の中でつぶやいた。
 ここは、カオスフィールの山上に発見された塔の付近、山のふもと辺り。
カオスフィールの地理に詳しい里穏(りお)は、最近になって発見された
塔が怪しいと推測を立て、塔の方へと先回りしていたのだ。
 塔の探索そのものを目的とした2名、二位三、BBとは少し前まで共に
行動していた。山に入る彼らを見送って、彼女自身は周辺での捜索を
行っていたのだ。
 このあたりは森とまでは言わないまでも、周囲にやや高い木がいくらか
生えていて見通しがよいとは言えない。そこで、見晴らしの良さそうな
大岩に登って周りを見渡してみた。
 ――そして見つけたのだ。広場のパーツをもって走る、ネズミの大群を。
 しかし、今は里穏(りお)ひとりしかいないのである。相手はネズミとは
いえ、数が多い。今はうかつに近づかない方がいいと判断し、岩陰に
隠れてネズミの動向を伺うことにした。
 ネズミはどうやらまっすぐに塔へと向かっているらしい。何百匹もの
ネズミのひと固まりずつがその背にパーツを1つずつ乗せて、山の中へと
行儀よく並んで入っていく。何とも奇妙で、またどこか可笑しく思えて
しまう光景だった。やがて、列の最後尾も山の入口の森へと消えていった。
 岩陰でネズミの大行進を見送った里穏(りお)は、懐からインカムを取り
出し耳に当てた。そう、シズナの用意したインカムだ。
「もしもし、こちら里穏(りお)。シズナさん、二位三さん、聞こえる?」
『聞こえるわ、里穏(りお)さん』
『やあ、僕にもしっかり聞こえているよ』
ふたりから即座に応答が返ってくる。
「あのね、今、塔のある山のふもとでネズミさんたち見つけたよ。たぶん、
目的地も塔だと思う」
『なんと! こっちにネズミが向かってきているだって!?』
『なるほど……二位三さんはもう塔に着いたのですか?』
『もう目前だ。すぐふもとまで来ている』
 どうやら、ネズミより一足先に塔にたどり着ける状況のようだ。
『危なくなったら、すぐに知らせてくださいね。里穏(りお)さん、そちら
の追跡組の方はどういう状況ですか?』
「それが……私は単独で塔の方に向かってしまったもので……」
『そうですか。では、可能な限り彼らと合流してください。万が一、
二位三さんたちが危なくなったら、一番早く駆けつけられるのは追跡組の
皆さんになるでしょうし、その時にインカムで互いに連絡を取れるように
しておいたほうが良いと思いますので』
「わかりました! 今から追跡組の方を探して合流します」
『里穏(りお)ちゃんよろしくねー。それまで、こっちはできる範囲で
先に塔を調べておくよ』
 通信を切った里穏(りお)は、再び大岩の上に登った。今度は仲間の姿を
求めて、地平線を見渡すようにぐるりと周囲へ目を向ける。
 ――上空から先行していたコルヴィーノを見つけるのに、ほとんど時間
はかからなかった。まさしく、彼女の持ち合わせる幸運の賜物であろうか。
 岩の上で大きく手を振る里穏(りお)を発見したコルヴィーノは、遠く
後方から走るマデリンにもよく見えるよう、大きく空で旋回をして合図を
送った。
 追跡組がここまで到着するまでにそう時間はかからなさそうだ――と
里穏(りお)は胸をなでおろした。


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シーンNo.3-04 リプレイ 『山奥にそびえる塔』に続く
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