トップ  >  スポンサー広告  >  スポンサーサイト  >  PTC@TRPG  >  シーンNo.1-02 行動結果リプレイ 『図書館へ』

--年--月--日 スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シーンNo.1-03 行動結果リプレイ  『監視カメラ』 | トップページへ戻る | シーンNo.1-01 行動結果リプレイ 『広場 ――人と人との交差点』

このページのトップに戻る

2010年08月27日 シーンNo.1-02 行動結果リプレイ 『図書館へ』

1-02フォト



■■■ PTC@TRPG企画 ■■■
シーンNo.1-02 行動結果リプレイ 
『図書館へ』


 看板に書かれた、不思議な図と文字らしきもの。
 そこに注目し調べてみようという者たちも、かなりの数がいた。

「おやおや、なんだろうね。ちょっと見せて……ふむ、興味深いね、これは」
 古代文明を研究する学者のエディは人垣を割って入り、看板の前に立って
まじまじと見分する。
 その脇には、同様に看板を見つめる二位三とミスリルの二人連れが立っていた。
「なんて書いてあるの?」
「それがわかれば苦労しないぜ……なんだろナァ、暗号?」
「暗号の線はなし、っと……なの」
「オイそりゃどういう意味だw」
「にいさんの意見は参考にならないのー」
 二位三、なんともひどい言われようである。そう、ミスリルはツンデレなのだ。
ツンデレはよいものだ。
「この3つの丸いのは、国を表してるみたい……?」
 巫女姿が愛らしい里穏(りお)は図を見ながらつぶやいた。
 そのように感じたものは他にもいたようだ。
「ちょっと見、世界地図のように見えるなあ」
「そうね、これは三国を表しているのは明らかなのでしょうけど……他のは何
なのかしら?」
 小熊の姿をしたグラスメア卿の言葉に、魔女っ子カペラが続ける。
「ひょっとして……これって、戦のマークなんじゃないかしら」
 不意に後方から発せられた言葉とその内容に、一同はぎょっとする。
 言葉の主は、白いワンピース姿の少女――有栖川アリスだった。
 アリスは看板中央下にある記号らしきものを指差す。
「ほら、これ」
「……言われてみると確かにそう見えなくもないかも……」
 周囲の人々は不安げにざわざわとし始めた。
「他の6つの文字の意味さえわかれば、その察しもつきそうなのですが……」
 シズナが、看板をスケッチする手を止めずにつぶやいた。同行者であり主人の
リーファがうんうん、とうなずく。
 看板のスケッチは、シズナ以外にもグラスメア卿が行っていた。もちろん、
簡単な書き写しは他の者も行ってはいるが、シズナとグラスメア卿のスケッチは
かなり具体的で詳細なものである。
「さてと、これで良し。あとはこれを……誰か頭のよさそうな人に見てもらおう」
 スケッチを終えたグラスメア卿は、描き上がった看板の絵をカバンにしまう。
「どこに行くのがいいかな。学校とかかなあ。図書館もあるだろうし」
「……なるほど、図書館か。調べものをするのであれば、まず向かうべきはそこ
だろうな」
「なら、キャッスルの近くにある大図書館がいいんじゃないかな。学者さんも
たくさんいるから、頭のよさそうな人に見てもらうのもそこならできるかも」
 二位三が大きくうなずき、エディが言葉を続ける。
 他の者も、このまま大図書館へ向かおうということになった。



   * * * * *




 キャッスルの近くに建てられ、三国のあまねく知識が集められた大図書館。
 本の傷みを避けるため、日光を遮断し薄暗く調光された建物内を、一行は歩いて
いた。
 規則正しく並ぶ書棚から、記号や図について調べるための本を探していく。


「どうするの? お姉ちゃん」
「……大図書館に行ってみましょう。このマークの書かれている書物があるかも
しれませんから」
 キサラとスピリアは、他の者たちよりも一足先に大図書館に来て調べ物をはじ
めていた。大昔に滅んだと言われる種族の末裔であるこの姉妹は、各地を放浪し
古代魔道装置の収集をしている。文献調査の手際も非常に手慣れたものだ。
 二人はやがて、看板の中央下に記されていた記号と同じものが書かれた一冊の
文献を発見した。
『失われた王国 第3巻』という書題の、亡国の歴史や伝承をまとめ記した本。
 ――滅びの種族の末裔であるこのふたりがこの書物が見出したのは、いかなる
神のいたずらであろうか。

 ……数千年の昔、太陽に忌まれた国王とその民が、一夜にして地中深くに
沈められたという伝説の国。看板中央下に記されていた記号は、その国王本人を
指す皇印と非常に酷似していたのだ。
 その国の名は「ゲ・ヒンノム」、国王の名は「イブリース」と記されていた。

 キサラとスピリアは、この国の伝承をさらに詳しく調べようとしたが――
残念ながら見つけることはできなかった。
 だが、ここまでの調査結果だけでも、充分に収穫であったと思われる。
 ふたりはこの本から必要な箇所を書き写した後、書架に戻そうとした。
 その時――この本のあった場所の奥、本と本の隙間になる位置に奇妙なものを
見つけた。
「お姉ちゃん、これは――?」
「なんでしょう……これについても、調べてみたほうが良いかもしれません」
 スピリアは小さな白い石のようなものを手に取ると、本を元の位置に戻した。


 ふたりから遅れて大図書館に到着した一行は、看板の図や記号に関連のありそう
なものを調べていった。
 結果、『失われた王国 第3巻』を彼らも見つけてその情報を得、さらに3つの
円についても新たに判明したことがあった。
「これ、三つの国についてを指しているのは確かなんだけど、正確にはちょっと
違うみたいね」
カペラが腕組みをして発言した。アーティスキュール・サイエンティックヘブン・
カオスフィール3つの国の紋章と、看板の図に描かれているものに微妙な差異が
あるのである。
「カオスフィールを示す虹の輪の模様。これはどちらも一緒なんだけど、他の二つ
がちょっと違うわね……」
 アーティスキュールの紋章は、紫色の輪の周囲に日輪の周炎を思わせる棘の
ような文様があしらわれている。サイエンティックヘブンの紋章は、オレンジ色の
歯車。
 その一方で、看板に描かれているのはブルーグレーの輪に3つの棒が刺さった
ものと、くすんだ黄色の歯車となっていた。
 意匠としてそれぞれ近いものではあるので、同一とみなしてもよいだろうとは
思うのだが……ちょっとした差異が、どうにもすっきりしない。
「……これとよく似たものを、私見たことがある気がするんだけどな……うーん」
 里穏(りお)は首をかしげる。そこへ、グラスメア卿が息を切らせてやってきた。
「学者さんに声をかけて、この看板を見てもらったよ。忙しいから無理って断られ
続けたけど、ひとりだけ話聞いてくれる人がいたんだよね」
 嬉しそうに報告する卿の言葉に、興味津々な皆が続きを促す。
「あのね、この3つの丸で描かれているものは皆も見たことあるはずだって言って
た。広場に、よく似たものがあるよ、って」
「え? そうなの?」
「じゃあ……一度図書館を出て、広場に戻って確かめてみようか」
「まだわからないことは残っているけど、必要なら改めて調べに来ればいいよね」
 一行は広げていた本を戻し、図書館を後にした。


(――ふふ。良いこと聞いちゃった。後をつけた甲斐があったわ……)
 図書館を出ていく彼らを見送りながら、レティは天井と本棚の隙間に体を潜らせ
た姿勢のままで声をひそめて笑った。
 あの看板に描かれているのは『宝の地図』だと目測をつけたレティは、行動を
他者とともにするのではなく、陰に潜み情報を盗み聞きすることで出し抜こうと
考えていた。
(きっと、その失われた王国の遺産なんかが、隠されているのだわ。こうなったら、
誰よりも早くその隠し場所を調べなくちゃ――)
 本棚から降りようとしたところで、レティはふと気付いた。
 ……これ、どうやって降りよう?
 彼女は翼をもつ種族であるため、登った時は書架に手をかけながら、翼で浮力を
得つつ軽々と登ってきた。ところが、いざ降りる段になると、本棚と天井の隙間に
身を隠した状況からは、うまく翼を広げられない。かといって、翼を使わずに飛び
降りるには、やや高さがありすぎる。行きはよいよい帰りは恐い――まるで木に
登って降りれなくなった子猫のようである。
「えーと、落ち着きましょ。そう、図書館にはハシゴがあるはずよね。棚最上段の
本をとるために」
 彼女がそういうや否や、であった。突然、目の前にハシゴがかけられたのだ。
何と都合のよいことか。
 ほっと一息、かけられたハシゴを伝って下りるレティ。無事床面に降り立つと、
脇から声をかけられた。
「どうだい? 役に立っただろう?」
ぎょっとして振り向くと、ハシゴのすぐ横には妙な格好をした青年が床に座り
込んでいた。このハシゴはその青年――クロ丸が用意したものだったのだ。
「誰かのお役に立ちたくてさ、困ってた人を探してたんだよね。おねえさん
降りれなくて困ってたでしょ」
「え、ええまあ――」
「助けてくれた人にはさ、感謝ってものが必要だよね」
「え?」
 困惑するレティ。うーむ、これは恩を売られているのか……どう対処した
ものか、と考えを巡らせるレティの頭上に、小さな足がぶらーんと見えた。
「!?」
 驚いて見上げると、先ほどのハシゴを伝って上から下りてくる少女がいた。
「……私も下りれなくて、困っていた」
 小さな天使のファルであった。ファルもまた、レティ同様に隠れて他の者の
行動をうかがっていたのである。
「おや、お嬢さんも困っていたんだね。……お兄さんにお礼、ちゃんとできる
かな?」
 怪しくもにこやかに話しかけるクロ丸。
「……何ももってない。だから言葉でお礼を言う。ありがとう」
「あ、うん、私もそうなんだ。ありがとう、助かったよ」
 これ幸いとファルの言葉に乗るレティ。少なくとも、レティは“何ももって
ない”ということはないのだが、そこはそれ。
「あー……そっかあ。いや、お礼の言葉で十分さ。じゃあ、これからは高い
ところに気をつけてな」
 クロ丸は一瞬残念な顔をしたが、すぐに気のいい表情に戻る。
「そうか、ではこれで」
そう言い残し立ち去るレティとファルを見送り、クロ丸は小さな声でつぶやく。
「いやー残念残念。オイラ、お金持ちとか余ってるところからはもらうけど、
困ってる人からはいただけない性質なんだよね。――『ないものは、とれない』
からさ」
 ――その時だった。
 クロ丸のカバンの中に、小さな白い石が突然現れたのだ。
 まるでクロ丸の発言に反応したかのように石はまばゆく輝き、その後すぐに
光は収まっていった。
 クロ丸はそのことに気付かないまま、カバンを持って立ちあがると図書館の
出口へと歩いて行った。



 図書館から出たところで、ファルはティアと合流した。
 二人は双子のちみっこ天使で、実は見かけによらず非常にハードな『にんむ』
を背負っているのだ。

「ファルー! 探したよっ。無事『にんむ』おわった?」
「……途中まで。ティアは?」
「えっとね……看板を設置した人を探すのが私の『にんむ』だったんだけど」
「うん」
「上司の言うように匂いを嗅いで調べてたらね」
「うん」
「美味しそうな匂いがしてきて、それをたどっていって……ケーキ屋さんに
たどり着いたの」
「……そう」
「ち、違うよ! さぼってケーキ食べてなんかないよ!」
「そんなこと思ってない」
「そ、そう……でね、そこにあの人がいたの。なんだっけ……ネコの人。
ボンクラーズの」
「クレバーさん?」
「そう、その人。で、何か買っていってたの」
「…………」
「うん、察しがいいね。同じのを買ってきたから、食べる?」
「………………食べる」

 ふたりは広場にあるパラソル付きのテーブル&チェアに座り、出来立ての
チーズケーキを仲良く食べた。
 仕事を頑張った後のおやつは、大変おいしいものであった。



######################

シーンNo.1-03 リプレイ 『監視カメラ』に続く
スポンサーサイト

シーンNo.1-03 行動結果リプレイ  『監視カメラ』 | トップページへ戻る | シーンNo.1-01 行動結果リプレイ 『広場 ――人と人との交差点』

このページのトップに戻る

コメント

このページのトップに戻る

名前
題名
メールアドレス
WEBサイト
 
コメント
パスワード
  管理者にだけメッセージを送る

このページのトップに戻る

トラックバック

このページのトップに戻る

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。