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2010年08月27日 シーンNo.1-01 行動結果リプレイ 『広場 ――人と人との交差点』

1-01フォト



■■■ PTC@TRPG企画 ■■■
シーンNo.1-01 行動結果リプレイ 
『広場 ――人と人との交差点』


 この日の広場は、いつものノンビリとした賑やかさとは異なる雰囲気に
包まれていた。
 突然現れた1枚の看板。立ち止まり群れて囲む人々。

「何アルかあの群れは! 邪魔ネ、ちょっと見……今時の若者背ぇ高ぇぇ!!」
 人垣に遮られて向こうが見えないミィニィは思わず絶叫した。
 ちなみに彼女、正しくは「迷你」という素敵なお名前なのだが、文字化けの
恐れがあるため泣く泣くカタカナ表記にさせていただくことを了承してほしい。
 話がそれた。
 朝っぱらから、背が低いことを気にしている彼女のコンプレックスを刺激す
るかのようなこの出来事である。
(生意気アル!)と内心憤慨するのを知ってか知らずか、一人の男が声をかけた。
「おっ美人発見。おね~さ~ん、昨日何があったの~……」
「うおぅっ!? お前も背が高いアル! ふんぬー!!」
「うわ!?」
 思わず反射的に防御の構えをとる、シンプルな和装に身を包んだ青年。
 この青年――シゲもまた、看板に興味があったもののよく状況が飲み込め
なかったので、近くの人(それも美人の女性)に尋ねてみようと思ったの
だった。


 同じように、より詳細な情報を求めて周囲に声をかける光景は、この日
あちこちで見られた。



「……とりあえず、隣の人に聞いてみるか。あの、もし……」
執事のゼイドは、看板をまじまじと見つめる流れの商人セシルに話しかけた。
「う~ん……思い出せへんわ。あの模様、どっかの町で見たような気がする
ねんけど……」
「ふむ? 見覚えがあるのですか?」
「そうやねんけど……アカン、思い出されへんってことは金の匂いのせえへん
事っぽいなー」
ゼイドの問いに、セシルは残念そうに眉根を寄せつつも軽快な口調で答えた。


「……あれ、何だろうあの人だかり。面白そうな匂いがする!」
 向こうで金の匂いの話をしている一方、此の方では嗅覚を好奇心に対して
働かせた仮面の男、trickster。
 彼が声をかけたのは、愛らしい少女リーチェ。
「面白そう!」と看板や周囲をキョロキョロと見渡していたリーチェに対し、同じく
好奇心旺盛なtricksterは親近感を抱いたようだ。
 他のヤジ馬の面々とも一緒にアレコレ推測を語り合い、賑やかにこの状況を
楽しむ2人。
 その時、tricksterとリーチェは視界の端に不思議な光景を見た。



 看板からやや離れた場所で――
 美しいウロコをもつ人型の魚類がビチビチはねている!



「…………!!!?!??」
 ふたりは奇異な光景に瞳を輝かせた。
 素敵ウロコの魚人であるとうふ氏は広場によく遊びに来ているので、この場
にいること自体はさほど珍しいわけではない。
 だが、あれほど必死にビチビチ跳ねる様子は非常に珍しい。
 事実、とうふは心底必死だった。
 これだけたくさんの――50人を超えようかという人だかりを広場で見るのは
初めてだったのである。
 広場には16人までしか入れないのではなかったのか!! と、ウロコを煌め
かせながら、とうふはビチビチと無言の抵抗をする。しかし、それも無理はない。
彼の一族は人間の乱獲によって絶滅の危機であるのだから。
(何アレ気になる! でも人ゴミこわい!)
 看板を見つめながら、恐怖に身を躍らせるとうふ。
 そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、tricksterとリーチェは目を輝かせ
ながら好奇心のままに彼の元へと走り寄るのであった――。


 ……また話がそれた。看板の謎、である。
 謎に迫るべく行動を起こしていた人々を、もう少し追いかけてみよう。


 * * * * *


「うん、アタイの頭では何が書いてあるかさっぱりわからんぜ。こりゃ設置した
人を探すほうが手っ取り早そうだ」
 楓はそう思い立ち、周囲へ聞き込みを始めた。
 彼女はまた、仲間を探したいとも思った。その方が情報交換もスムーズに
進むだろうし、より謎にたどり着くための道のりや時間も短縮できるだろう。
そう、協力に勝る武器はないのだ。
 楓が最初に声をかけたのはクレアという少女だった。やわらかな物腰で周り
の人に声をかけていた。
「こういうのは立てた人に直接聞いた方が早いですねっ。すみませ~ん、あの
看板を立てた人、ご存知ですか?」
 知らないよ、と答える人にも丁寧に礼を言いながら尋ねている。楓は彼女に、
ともに行動しませんか、と声をかけた。
 次に声をかけたのはエリオットとマリアージュという二人連れだった。会話
の様子から、エリオットが主人でマリアージュは従者という関係らしい。
「マスター……これココに刺してった人探そうよー」
「ほう、その心は?」
「だってマリアージュ、看板の字読めないもん」
(あ。私と同じ考えなんだ。親近感)
ふたりの会話を聞き、楓は心の中でつぶやく。
トホホ顔になっているエリオットの横から、楓はにこやかに声をかけた。


 * * * * *


「前日にはなかった看板なんでしょ? それなら昨晩の広場の様子を調べれば
いいじゃない。簡単なことよ」
 ロリーナは昨晩の広場の様子に状況を絞り、聞き込みをはじめていた。調べる
ことをある程度絞るのはなかなか有効だったようだ。
 前日夜にこの広場を訪れた人を訪ね、またその人からその様子を聞いていく。
 その結果わかったことは、昨晩の深夜2時くらいには看板はなかったこと。
そして夜明けの直前である5時頃には、薄明の広場の中央に立っていたこと。
 この空白の3時間の状況を知るものを探したが――残念ながら、見つけるに
至らなかった。
 ただ、最初の目撃者であるパン屋の主人が、奇妙なことを言っていた。
『看板の元にたくさんのネズミが群がっていた』というのだ。

「ネズミ……?」
 ロリーナは訝しげにつぶやいた。
 ネズミが看板を設置したわけではないだろうと思うが、それにしても不可解
である。
 これは一体何を意味するのであろうか……。


 * * * * *


 唐獅子の赤い巨大なカブト、ひるがえる鮮やかな緑の衣。
 これまた異様な光景が、人だかりの中央で繰り広げられていた。
 ししまいが、看板に書かれた図形をイメージして舞っているのである。

 最初はあっけにとられていた観衆も、舞いを見るうちにその神秘的な雰囲気に
だんだんと惹きこまれていく。
 それもそのはず、ししまいは元々、神事で舞いを奉納する存在なのである。
 切れのよい動き――空に突き抜ける噛み歯の音――体の動きに沿ってぐるりと
円を描くたてがみは、眼前の空に魔法陣を描いているかのようだ。
 そう、まるで、神降ろしの儀式をしているかのような、そんな雰囲気に広場は
包まれていた。

「――神託を得たり」
 舞い終わったししまいの口から、ぽつりとそんな言葉がこぼれた。どよめく観衆。
「この文字や図形に似たものをかじっていけばラッキーが起こるだろう」
 …………え? かじるの?
 大半の人が頭にハテナマークを浮かべている中、人だかりから飛び出した者が
いた。ウサギのらぱんだ。
「なるほど! 噛み心地良さそうって思ってたんだよね! がじがじがじがじ」
 さすがウサギ。周りが止める間もなく、素早いアクションで看板に飛びつくや
否やかじりついた。
「がじがじが……あれ?」
 らぱんがぴた、と動きを止めた。
「これ……木じゃないよ。歯形がつかないもの。何で出来ているんだろうコレ」


 * * * * *


 正午ごろにもなると、広場の人だかりは相変わらずの状況であったが、それでも
多少は落ち着きを取り戻しつつあった。
 そんな中――看板から少し離れた位置でじっと周囲をうかがっていた者がいた。
 盲目のシスターGALATIAと、元トレジャーハンターのBBである。

 広場と看板周辺にいるものを調べようと思っていたGALATIAは、ひとりの女性が
気になっていた。
(あの女性……ひとり離れたところで、周囲をうかがっている……?)
 好奇心をあらわに看板に近づくでもなく、聞き込みをするでもないその様子は、
GALATIAの目には奇異なものに感じられた。
(ひょっとしたら……何か知っているのかも。看板のことを)
 近づきすぎず、離れすぎない位置で彼女の様子をうかがう。もしこの場を離れて
行ったら、尾行をしようと考えていた。
 だが、そうやって挙動を見張られていた彼女も、看板の謎を追う者のひとりである
BBだったのだ。
 そしてBBもまた、同様の理由でGALATIAの様子をうかがっていた。
(犯人は自分のやった事に反応する人を見て楽しむ傾向があるから、もしかすると
この近くにいるのかも……と思っていたけど、どうやらビンゴだったみたいね。少し
離れたところから皆の様子をうかがう彼女……怪しいわ)
 まさか、同様の視線を送り送られているなど、互いに知る由もなかった。


 * * * * *


 その頃、4人で手分けしつつ聞き込みを続けていた楓・クレア・エリオット・
マリアージュは、休憩がてら近くのカフェで昼食を一緒に食べていた。
「うーん、難しいね。広場にいる人は、この看板についてはあまり詳しいことを
知らないみたい」
マリアージュはため息をつく。
「なかなかままならないものです……おや、あの方は?」
クレアがすぐ近くの通りを指差した。目の前をちょうど歩いていったのは、
自称《最強冒険家(と書いてダイナミックと読む)》のパワフル。大きい体躯を
しているので、遠くからでもよく目立っている。――と、その時、彼は一枚の紙
を落とした。
「おっと。拾って届けてこよう」
忍者で身軽、フットワークの軽い楓がさっと席を立ち、通りに出て紙を拾う。
しかし、その間にパワフル氏は脇の通りにでも入ってしまったのか、姿が見当た
らなくなっていた。
「……見失っちゃったか」
また会ったときにでも渡せばいいか……と自分の懐に入れようとした時、紙に書
かれた文章が目に留まった。



『失せ物・尋ね人・世界の真実。知りたいものがあれば何でもご相談あれ。
 ――凄腕占い師・オラクル婆さん』



「……うっっっわ、うさんくせ―――――……」
苦笑とともに思わず口からこぼれる、楓の容赦ない感想であった。


 * * * * *


 昼下がりを過ぎ、とはいえ黄昏と呼ぶにはまだ少々早い――そんな午後の時間。
 その時分の広場にいるのは、その大半が特に目的のないヤジ馬だけだったが、
それでもまだそれなりの人だかりを形作っていた。
 そこに通りかかったマデリンは、たまたま虫の居所が悪かったのか、人だかり
に辟易し不快感を覚えた。
 彼女――本人は「彼」になりたいらしい――はイライラしながら広場の状況を
見、人だかりの原因が1枚の看板であることを知る。

(……すごく……すごく邪魔だっ!! なんだアレ落書きか!? 立てたヤツを
見つけ出して――)
 その時、広場の中央に1人の男が歩み出た。
「はいはーい、つかぶっちゃけー、その看板立てたの俺ー」
「お前かいっ!」
 思わずビシッ! とツッコミをかますマデリン。まるで漫才師のような抜群の
タイミング。
「あの邪魔なモノを立てたのはオマエか!」
「え? ちょっ何で怒ってんの!? わーすんませんホンマすんませんっ!」
 今にも掴みかからん勢いのマデリンに、名乗り出た男――コルヴィーノは慌て
て頭を下げる。
 コルヴィーノにすれば、軽い気持ちで注目を浴びるために取った行動だったの
だろう。なのに予想外のリアクションに虚を突かれてしまい、マデリンの剣幕に
のまれてしまったようだ。
 一体何をされるのか、と息を詰めたコルヴィーノだったが――
「…………わかってくれたなら、いいんだ」
 意外にすんなりと、マデリンは怒気を収めた。真面目で男らしい彼女は、理解
を得られたなら感情は引きずらないようだ。
「……あ、はい」
 何だかよくわからないながらもホッとするコルヴィーノ。
 その肩を優しくポン、と叩いたマデリンは爽やかな微笑みを浮かべて
「邪魔だってわかってくれたならいいんだ。じゃあアレ片づけておいてくれ」
 そう言い残し広場を後にする。
 歩を進める中、脳裏に(ん? 立て札の犯人に何かを聞きだそうと思ったよう
な……)という考えがかすめたが、気持ちがすっきり爽快になってしまっていた
マデリン。そのまま立ち去って行った。


「……え? ……俺が片づけんの?」
 ようやく事の流れを飲み込み、思わず観衆を見渡すコルヴィーノ。
 そんな彼の疑問に、観衆たちは一様に「だってキミが看板置いたんでしょ?」
という表情で返答していた。
 事実、ここにいつまでも立てておくわけにもいかないであろう。
 コルヴィーノは瞬間素早く思考を巡らせた後、にこやかに観衆に応えた。
「そーっスよねー。置いた人間が片づけるべきっスよねー」
 いそいそと看板を引き抜き、肩に担いで歩き出した。
 『広場を騒がせた犯人』という汚名(称号?)と引き換えに、その日一日
もっとも視線を集めた看板を手に入れられる。――そう思った時だった。
「「あ、あ、あなたじゃなかったの――!?」」
 重なる二つのセリフ。
 コルヴィーノがびっくりして振り返ると、二人の女性が互いを指差している。
 そう、GALATIAとBBだ。互いに互いを犯人だと思っていたのだが、犯人と
名乗る別の男が現れたため、勘違いにようやく気付いたのだ。
 鏡写しのように、へなへなと座り込む二人。
 その様子を思わず見守るコルヴィーノ。
「……じゃ、そういうことで」
「まていっ!!」
 看板を担いだまま立ち去ろうとしたコルヴィーノをBBが呼びとめる。
 そう、犯人であるなら尋ねたいことは山ほどあるんだ! ――と矢継ぎ早の
質問で攻めてくるふたりに、あっさりと狂言だったことを白状するコルヴィーノ。
もちろん、看板を持ち去ることはふたりが許さなかった。
 結局、その場の観衆の意見も取り入れ、看板は広場の中央でなく邪魔になら
ない隅のほうに刺しなおされることになった。
「さ、これでよし……ととと」
 ぐう。と鳴るのBBのおなか。
「そういえば、お昼食べてませんでしたね」
 GALATIAもクスッと微笑む。
「そういや俺もまだだったな。この先に美味しいパスタの店を知っているんだが、
せっかくだし一緒にどうだ?」
 さすがのイタリア生まれ、スマートさを身に付けたコルヴィーノである。
 3人はカフェ通りへと歩いて行った。



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(シーンNo.1-02 リプレイ 『図書館へ』に続く)
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